2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Concrete Jungle

地下鉄の駅から地上に上がったときに感じる焦げるような暑さ(熱さ)は都会特有のもので、それに慣れない田舎者の私は、いつも少し歩いただけで消耗してしまう。昨日も同様だったので、某ヒルズにある某インテリアショップが運営するカフェで、ランチと一緒…

女はいつも通り、荷物を受け取りにやってきた。彼女は誰にも自分の住所を教えず、小包はもちろん葉書一枚でさえ、郵便局や宅配便の営業所に留め置くよう指示していた。そこの営業所はいつも殺風景であちこち埃をかぶっており、その灰色の室内に女性社員の化…

カメラ

目の前で食事を口に運ぶ男に対し、女は思っていた。この人が死んだら私はどうなるだろう。 そしてすぐに、誰かに対してそんな考えを持つのは初めてだと気づいた。寂しいとか、生活に困るとか、そんな表層的な、物質的な、普遍的過ぎることはさておき、たとえ…

麦藁帽子

小学校の夏休み。お盆を過ぎたあたりに登校日があって、その日を期限に定められた分の宿題を持って行った。荷物が少ないのでランドセルの必要はなく、各自好きな鞄を持って行ってよいことになっていた。服も私服だったかもしれないけれど、よく覚えていない…

Rainin' in paradise

私は文章を書こうとすると暗く不穏なものになる傾向が大いにあり、でも最近は穏やかに楽しく過ごせているので、書いたのがほんの数日前でも、自分の文をここに載せる気になれない。別に浮き沈みが激しいわけではなくて、たった今でも何か書き始めたらきっと…

Within a mile

日々に追われて何も吸収できずにいるから、何の言葉も湧き出ては来ないし、何も欲しいと思わない。なんて、四半世紀近くを生きてきて、巧くなったのは言い訳だけか。 一人でビールを飲んでいた店でかかっていたのは、コステロの“Alison”。“ I know this worl…

反省

二個下に書いてある『鏡の国のアリス』の感想(レビューというほどのものでもないだろう)、本文の抜粋はしちゃダメだったなと反省。ここを見てる人がそんなにいるとは思えないけれど、たまたま何かの検索で引っかかって来ちゃった方がうっかり目にして、オ…

法蓮草

何万回も繰り返していることをつい、忘れてしまうことがある。小学生レベルの漢字とか、ものや人の名前とか。いわゆる度忘れというやつ。 法蓮草を茹でる段に突然やってきた度忘れ、「お湯に塩を入れるんだっけ?」。青い野菜を茹でるのに塩を入れると色が鮮…

鏡の国のアリス

鏡の国のアリス作者: ルイスキャロル,ヤンシュヴァンクマイエル,久美里美出版社/メーカー: エスクアイア マガジン ジャパン発売日: 2006/12/22メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (29件) を見る 『不思議の国のアリス』というと…