The Girlfriend Experience/Bubble

ティーヴン・ソダ―バーグ監督『ガールフレンド・エクスペリエンス/バブル』

 2本立てになっているだけで作品同士は全く別。だけどあえて仕様どおりに2つで1つとして記録しておく。て書いてから気づいたけど、『バブル』はちょっと異質だった気がする。私はソダ―バーグ監督の作品は少ししか見ていないけど、ドキュメンタリー風の描写が特徴で、『ガールフレンド〜』の方はだからその主流であると思う。でも『バブル』は・・・主人公のキャラクターのせいか、人形の製造過程のグロテスクさのせいか、いや映像のつくりもやはり、際立って抒情的であったように思う。

 登場人物も舞台も対照的と言っていいほど全く違う作品2つ。だけどどちらも「人はなぜ、とりかえしのつかないことをしてしまうんだろう?」てことなのではないか。しかもやはりスティーヴン・ソダ―バーグなので、え?ここで終わるの?というとこで終わられてしまう。戒めるでもなく、救うでもない。でも私たちの人生だってそうなのだ。死んでみなけりゃ結論なんて出ない。ああ、だから彼の映画はドキュメンタリーに見えるのか。

 スッキリハッキリした結末が好みの方にはおすすめできないが、観て嫌な気分になるものではないと思うし、映画としては言うまでもなく良く出来ています。