Soledad

Soledad/MANO NEGRA

 このヴァージョンはたぶん、フランスのコンピCDにしか入ってないと思うんですがすごく好き。アルバムヴァージョンももちろん大好き。これは公式PVではなく、どなたかが曲に合わせてディズニーの短編アニメを編集したみたいです。使用されてるのは『ホーンテッド・ハウス』と『骸骨の踊り』でいずれも1929年の作品。私がこれをYoutubeで初めて見たのはだいぶ前ですが、上に挙げた『コープス・ブライド』のシーン(↓)を想起させられました。

 「普通の」世界に生きている人間(が親しみを持っている他の動物も含む)以外の生き物が、お互いの体を楽器や遊具に見立てて叩いたり投げたり転がしたりして遊ぶ、という演出はそれほどめずらしいものでないとは思います*1。自分たちの代わりに我々の社会におけるタブーを犯してもらうことで、しかも動作主を我々の社会と無関係の者たちにすることで何の罪悪感もなく、なんとなく「やってやった!」みたいな気がして観るものは痛快なのだと思います。
 だけど注目すべきは「骸骨」を「楽器」にしているという点でこの2つの類似性が高いということ、そして一方はティム・バートンの作品であり、もう一方はティム・バートンを追い出した*2ディズニーの作品だということです。『ホーンテッド・ハウス』『骸骨の踊り』が製作されたのはバートンがディズニーに在籍するよりずっと前なのだから、バートンの作風というのはむしろ、ディズニー作品の古典に近いとも言えるのではないか?と私が思うのは『リロ&スティッチ』みたいな気持ち悪い宇宙人のアニメがディズニーというブランドの庇護の下に賞賛を浴び、バートンの作品が奇妙だ珍妙だ悪趣味だと評されるのは納得いかないからです。スティッチ・・・かわいいかなあ?こわいけどなあ。

*1:具体的で誰もが頷く好例が思い浮かばない・・・

*2:ディズニーが「暗すぎる」という判断でバートンの作品を上映しなかったため、バートンがいい加減愛想尽かして辞めた、みたいなことが言われていますが真相はどうなんでしょう?