Sukkar Banat
- 出版社/メーカー: オンリー・ハーツ
- 発売日: 2009/07/24
- メディア: DVD
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
ナディーン・ラバキー監督『キャラメル』
どちらかというと男ばっかり出てくるような映画が好きなので、こういう女ばっかりな映画を能動的に観るのは珍しいのだけど、これは良かったですね。
内容はごくごく普通。あらゆる世代の女性たちが出てきて、各々悩みを持っていて、各々美しくなりたい理由があって、結婚する人があれば別居する人や不倫する人があり・・・使い古されたモチーフだけど、少しも安っぽくはありません。おそらく、最後に「わがベイルートに捧ぐ」という献辞が出てくるその言葉の通り、ベイルートという街がそもそも安っぽくないからではないでしょうか。映像も美しく、音楽も美しく、言語も美しい。普通のことをやって普通以上のものになるということは、普通ではないことをやって普通以上のものになることより、何倍も優れたことだと思います。そしてこの映画は、その前者です。
好きな男の人のためにケーキを焼き、部屋を飾り、身なりを整える。丸一日それに費やしてしまう。そんな女愚の骨頂だと普段なら思ってしまうけど、この作品を観たあとでは、そういうことをしてみたくなります。そういう新鮮味が『キャラメル』にはあると感じました。才色兼備のナディーン・ラバキーにも注目。