BURST CITY
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2005/07/21
- メディア: DVD
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石井聰互監督『爆裂都市 BURST CITY』
この作品の感想を一言で表すと「すげー」ってことになる。好きか嫌いかで言うと「大好き!」ってことになる。権力に対する抵抗の物語といって差し支えないと思いますが、その構造は2項対立ではなく入れ子式の3重構造ぐらいになっていて、でもストーリーなどあって無いようなものでもあって、そのためか、私は2回以上は観ているのだけど何度観ても新鮮に感じる。私が生まれる前の映画なのに。
BGMが目立ちすぎてセリフがよく聞き取れなかったり、ほとんど手持ちカメラと思われるその映像はアレ・ブレ・ボケをさらに動かしたような感じでさらにさらに、クローズアップが多すぎて全体が見えなかったりもする。カメラマンは怪我したんじゃないかと心配さえする。しかしどういうわけか、いわゆるゲイジュツ的映画の胡散臭さは微塵も感じないし、泉谷しげるが恋人の亡骸を抱くシーンなんてこっちも泣きたくなってくるじゃないか。とりあえずみんな叫んだり殴りあったり演奏したりしてる、それだけの映画。でも近年の邦画にありがちな映画など名ばかりの長編ミュージックビデオとも違う。何も正しくないのに、正義がそこにあるような気がしてしまう。
なんだかわかんないけど、カッコイイ映画。ほんと、昔はカッコイイ男の人がいっぱいいたんだなあ、なんて思っちゃうような、真面目にカッコイイと言えてしまう不思議な映画です。忘れた頃にまた観よう。