一人旅@金沢 其の二

 さて、金沢の写真がプリントされましたが、いかんせんスキャナーを持っておりませんもので載せられません。でも実家帰るの厭だしな、買っちゃおうかなスキャナー。お金が嫌いと言いつつ無くては生きていかれないのがもどかしいですね。

 宇多須神社の警備員さんと別れたあとのことを書きます。まず、金箔の有名店「箔座」の支店、「あぶらとり箔座」に行き、お土産用と自分用に金箔入り・プラチナ入り2種類のあぶらとり紙とホームエステ用の金箔を購入。これは顔に金箔貼り付けてしばらくおいて、乳液やクリームをつけてマッサージするとファンデ要らずの美肌になっちゃうという代物らしい!まだ試してないのだけど、ここぞという時にやってみます。うふふ。あとは自分用に金箔入りの化粧水を一本。これは使ってます。すごくいい!てわけじゃないけど、生理前なのに吹き出物が出ないのは金の抗酸化作用かもしれません。
 箔座を出て、友禅の小物屋さんとかいろいろ見て回って正午。朝ごはんをしっかり食べたのでまだそんなにお腹がすいていなかった私は、茶屋を改装したモダンなカフェ「素心」に入り、コーヒーと抹茶ブランマンジェで一息。今気づいたけど抹茶色なのに“ブラン”マンジェってなんか可笑しいね。休憩を終えて、降りたのと同じバス停に戻り、再び周遊バスに。運転手さんがさっきと同じ美人だったのでこれは運命だな!と思ったけどその次は違う人(やはり女性)で、さらにその次はそれと同じ人だった。1日500円で乗り放題だから、少ない運転手さんで回してるんでしょうね。御苦労さまです。

 次に向かったのは「金沢21世紀美術館」。ここをすごく見たくて金沢に行ったようなものだったのに、ひがし茶屋街で満足しちゃったせいか、そこまで感動しなかった。天気によっても見え方がだいぶ違うかもしれないけれど。しかしやはり人気の場所らしく、平日だというのにたくさんの人が来ていてカフェは満席という状態でした。コレクション展なら350円で観れるし、ライブラリーもあったりして一日遊べるから、確かに何度でも来たくなるかもしれない。水戸芸術館も少し見習うべきだと思いました。

 レアンドロのプールは意外にも、外から見るより中から見た方が面白かったです。まあ、実際に水中に人がいるわけじゃないって分かってるせいだろうけれどね。小さい子供とかだったら感じ方が違うかもしれない。中から見ると上から覗き込んでる人たちが見えて、話は聞こえないのだけど無邪気に感想を言い合う様子は伝わってきて、それがなんだか良かった。芸術というのは人を素直にさせるものなのだなあ、なんて思ったりして。
 そして圧倒的に印象深かったのは、カプーアの『世界の起源』でした。時間を忘れて何かを見る、ということをすごく久し振りにしました。完全な黒は存在しないといいますが、やはり闇とは、黒ではなく青なんだなと得心して、闇を見つめているのにすごく安心するという不思議な感覚を体験しました。 コレクション展の作品についての言及は割愛しますが、アンジェロ・フィロメーノという人の作品がすごくグロテスクで印象に残っています。

 さすがにお腹がすいてきたのでまた周遊バスに乗り、金沢市民の台所「近江町市場」へ。カニ4杯で5千円にしてあげるよ!私一人だから食べきれないですもん。みたいな会話をお店の人としながらとりあえずぐるっと見物して、お寿司やさんへ。お任せの握りとあら汁で昼食。甘エビがすごく美味しかった。棒寿司を買って帰りたかったんだけど、お寿司で満足したのと箔座で予算オーバーしちゃったのとでやめて、駅へ向かうことに。

 駅ビルでお土産用に「俵屋」の飴を2種類買って、上越新幹線に乗るため越後湯沢へ。私はスキーはやらないのですが、電車から夜のゲレンデが見えたときは異常に興奮しました。たぶん非日常的な風景で、単純に綺麗だったから。新幹線に乗るのにほんの数分滞在しただけですが、この旅で一番寒かったのは越後湯沢の駅でした。
 1時間ちょっとで上野に着き、アトレ内のパブでビールを一杯だけ飲む。自分の街に戻り、入ったうどん屋の店員の下の名前が自分と一緒でなんだか嬉しく、旅は終わりました。