Shaun of the Dead

エドガー・ライト監督『ショーン・オブ・ザ・デッド

 この監督は『グラインドハウス』の予告編を撮った人なんですね。納得。
 最近こういうポップ・ゾンビとでも申しましょうか、ハッピーな雰囲気のゾンビ映画が流行ってますね。『ゾンビーノ』もすごく良かったです。'50年代の色や質感を真面目につくっているし、やはり「共存」が一つのテーマになっているあたりは世相なのでしょう。アメリカに黒人の大統領が誕生したことを考えれば容易にうなずけます。そちらが少年期の友情を主軸にしたものであるのに対し、こちら『ショーン・オブ・ザ・デッド』は平たく言ってラブコメで、ダメな男とヒステリックな女と紅茶とパブと、いわゆるイギリス映画の典型にゾンビをうまく絡めています。いかにも低予算の匂いがするところもイギリス的。クイーンの曲でミュージカル仕立てにしたところなんか思いつきでやってる?ってぐらいの力の抜き様。個人的にはレコードを投げるシーンで、それは別れた彼女のだからダメだっていうその盤がシャーデーなのにウケた。パブデートに文句を言う女がいかにも聴きそうだもん。いや、シャーデーは好きなんだけどさ。
 イギリス映画を観ると学ぶものが多いなあと思います。邦画はハリウッドに近づきたいみたいだけど、お金かけなくても面白いものはいくらでもつくれるのだなあと。でもこの作品は日本未公開だというから驚きます。面白いのに。