イロジカル

 年が明けてすぐ最も大事なものを失い、私がいなくなるか世界が壊れるかどっちかだな、と本気で思っていたのに、他の人たちの助けで私はどうにか存在を保っているし太陽は平穏な世界を照らしているしで、人のからだも宇宙も丈夫にできてるもんだなと思う。
 一人でいるとロクにものを食べられないので少し痩せて、昨日は家族の目にもわかるほどにおっぱいが小さくなっていたのだけど、夕方仕事を終えて、美貌の友人とお酒を飲むという愉しみが待っていた私、髪をピンでまとめて化粧を直してピアスをつけて・・としていたらみるみるおっぱいが膨らんできたので驚いた。やはり心とは、胸の下に埋まっているのかもしれないよ。
 朝、平日にも関わらず泊めてくれた友人の出社を見届けてから、母校のそばを通って帰る。彼の家からの帰り道だったロマンス坂を過ぎたら急に、太陽がきらめきだした!と思ったら自分が泣いてるだけだった。体の反応と同じぐらい速く、非論理的に、心を表現できたらいいのに。

 私きっと彼を取り返しに行くよ。と言ったら彼女は少し、笑った。ひとの本音なんて可笑しいものだから。