あの人は今。

 ジム・ジャームッシュ監督のデビュー作『パーマネント・バケーション』の主演俳優、クリス・パーカーは今、なにしてるんだろうと突然思った。もう映画業界にはいないだろうし、名前も本名じゃないかもしれない(チャーリー・パーカーが好きだからつけた芸名なんじゃないか、という私の憶測。)から探しようが無いのだけれども、ちょっと検索してみて驚いたのは、映画出演がこれだけではないということ(完全な素人だと思ってた)と、なおかつ写真家のロバート・フランクが監督した映画作品“Last Supper”に出演していたということが分かったからだった。
 ジム・ジャームッシュがまだ田舎にいた少年時代、あまりにも有名になったロバート・フランクの写真集“The Americans”を服に隠して万引きしたというエピソードを知っていたからちょっと、感慨深くなった。その少年と写真家は後に日本の雑誌で対談をする*1のだけれど、結構噛みあってなくて面白かった。「憧れ」ってそういうものなのかなあ、と。

 ジャームッシュとクリス・パーカーは10代の頃、CBGBを始めとするニューヨークのクラブに頻繁に出入りしていたlate’70sに出会ったそうだけれど、クリスの顔は偶然出会ったにしては端整すぎると思う。

 ポスターにもなった、アール・ボスティックの“Up There in Orbit”をかけてくるくる踊るシーン。なかなか真似できないね。

*1:Switch ’92年9月号。